見上げると 覗き込むおっかあの姿があった

おっかあは 本物の怪物に出会ったかのような
悲鳴をあげて
すぐにどこかへ走り去って行った

おっかあには
わたしがどんなふうに見えたのだろう?




やっかいもののわたしがいなくなって
おっかあは つぎにおばあを…?

いやだ。そんなこと、信じたくない。

わたしはいいの、ばけものだから。
だけど やさしいおばあを
じぶんの うみの親を
年老いて うごけないからといって
ころすなんて できるはずない

あれは おっかあじゃない
おっかあにばけた
もののけにちがいない



どれほど時が経ったのか
井戸の上から 人の声が聞こえてきた
それも かなりおおぜいだ

「怪物だよ、怪物がいるんだ!
 おばあは怪物に井戸へひきこまれて
 しまったんだよ!! 」

くるおしいおっかあの叫びとともに
わたしは突然 かいぶつにつきとばされた

横穴にはいこんでふりむくと
上から 火のついた矢や
重たげな石が はげしくふりそそいできた

枯葉にもえうつった炎は
またたくうちにひろがり
かいぶつの体をのみこんでいった
+マエ+    + モドル   +ツギ+ 


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